バッグからケースまでいろいろ!バイクの荷物運びはどれがいい?
2016/05/01
yoshi09
車とちがって運転手の体がむき出しになるバイク。事故に遭遇してしまった場合、そのダメージははるかに深刻です。ヘルメットやプロテクターに加え、今注目を浴びているのエアバッグ。バイク用のエアバッグってどうなの?そんな疑問にお答えします。
エアバッグ
日本においては1990年代中盤から急速に普及した車のエアバック。現在ではほぼすべての乗用車に搭載されています。
ホンダ・レジェンド
日本車初、エアバッグを搭載。
日本車で最初にエアバッグを採用したのが1987年に発売されたホンダ・レジェンド。
エアバッグ
以来、最初は運転席だけだったものが、助手席、側面からの衝突に対応するサイドエアバッグやカーテンエアバッグ、膝にかかる衝撃を緩和するためのニーエアバッグなどと進化を遂げています。
あまりまだ知られていませんが、バイク用のエアバッグも存在するのです。
バイク用のエアバッグには2つのタイプがあります。
バイク用エアバッグ:タイプその①
車両本体側にエアバッグが装着されているタイプ。
車のエアバッグと同様の仕組みで、フロントフォークに設置されたセンサーが衝突を感知すると、瞬時にインフレーターに点火電流を供給。窒素ガスなどの気体を発生させ、その気体をエアバッグへ送り込んで膨らませます。
HONDA ゴールドウイング
サイドカーのついたゴールドウィングは、皇宮警察など、要人警護やパレードの白バイに採用されているので、テレビで見たことのある方も多いのでは。
2005年に本田技研工業が試作モデルを発表し、2007年にホンダ・ゴールドウイングに世界で初めてバイク用のエアバッグとして搭載されました。
HONDA ゴールドウイング SE エアバッグ・ナビ
2011年10月21日にモデルチェンジが行われ、エアバッグ仕様車は<エアバッグ・ナビ>に名称変更。熊本製作所において通年で受注生産されています。
ヤマハも2006年にエアバッグ装着研究車両「ヤマハASV-3」を発表していますが、今のところ、車両本体にエアバッグが搭載されたバイクはホンダのゴールドウィングだけのようです。
続きまして、タイプその2。
バイク用エアバッグ:タイプその②
つなぎやバイクジャケットにエアバッグが内蔵されたタイプ。
事故が起き、車体からライダーが放り出された瞬間に作動して、エアバッグが展開する仕組みになっています。膨らんだエアバッグが首・背中・胸・お尻などをしっかりガード。
バイク用エアバッグ
まさに着用するエアバッグ。
バイクの場合、自動車と違って事故発生時にバイクと人が離れてしまうので、車体内蔵型よりも着用タイプの方が実用的な気がしますね。
それでは幾つかのメーカーで実際に販売されている、着用型バイク用エアバッグをご紹介しましょう。
無限電光のhit-airシリーズ
発売開始から15年の歴史を持つ、まさにバイク用エアバッグのパイオニア。
写真のジャケットタイプだけでなく、ハーネス型やベスト型などバリエーションも多数。
安全性を検証する実験をしっかり行っていて、信頼できる国産メーカーです。
DAINESE社のD-air Streetシリーズ
世界で初めてモーターサイクル用プロテクターを開発したイタリアのダイネーゼ社。
2000年から本格的にバイク用エアバッグの開発を始め、MotoGPでも採用されるなど実績のある会社です。
レース用のD-air Racing、一般向けのD-air Streetシリーズがあります。
alpinesters社のTeck-airシリーズ
アルパインスター社はイタリアの有名なレーシングスーツメーカー。
両肩と背中に搭載されてある近接センサーが衝突を感知して、エアバッグが膨らむ仕組みになっています。製品化に当たり、10数年近くの間、実験とテストが繰り返し行われました。
ちなみにダイネーゼ社とアルパインスター社の間では、2015年末頃からエアバッグの特許を巡って激しい法定争いが行われており、その結果が注目されています。
バイク用エアバッグを製造・販売しているメーカーはまだまだ少ないようですね。
バイク用エアバッグ
参考までに、上記3社のバイク用のエアバッグの価格は以下のようになっています。
・無限電光のhit-airシリーズ
28,080円〜70,200円
・DAINESEのD-air Street(ジャケットタイプ)
1,119.30ユーロ(約14万3千円)
・alpinestersのTeck-air
1,200ユーロ(約15万4千円)
さすがに安いものではありませんね。イタリアの2社に関しては価格の情報がとても少なく、参考程度にしていただけたらと思います。
ちなみにhit-airシリーズは、転倒してエアバックを展開させてしまったとしても、エアバッグを畳み、炭酸ボンベ(1200円)を付け替えることで再利用が可能です。
バイク用エアバッグ
命を守るためにも、ライダーの皆さんにぜひ使用していただきたいものです。
実際にバイク用のエアバッグの良さを身をもって体験された方の声を聞いてみました。
バイク・エアバック体験 K君編
バイク用エアバッグの体験会にて、わざとロックさせて転倒してみたKさん。瞬時に開いたエアバッグに「大丈夫、全然痛くない」との感想を述べておられます。
続いては、実際に事故に遭遇した時のエアバッグ体験談が載せられているブログから・・・
あっと思うまもなくラインがクロスして2台は接触、絡んだまま路肩へ放り出され・・・私は巴投げをくらったように前方へ投げ出されました。
その瞬間、「バン!」という音と共にhit-airが展開!
投げ出されたその空中で見事にhit-airは開ききり、私は「背中から路肩に叩きつけられました」。路肩が土だったとはいえかなりの衝撃だったのでしょう。だったのでしょう・・・というのは、私の背中はhit-airに守られ、まるで布団の上に落ちた程度の衝撃しか受けなかったからです。
体が止まってから、素早くさらに路肩の奥へ避難。そう、「地面にたたき付けられたのに、私はすぐ走れるくらいの衝撃しかうけていなかった」のです。
相手は骨折こそしなかったものの、たたき付けられたショックでしゃべることもできません。
私は動けない相手も呆然と見ていました。もちろん、相手はエアバッグを装着していませんでした。
ー「街乗りも、サーキットも。バイク用エアバッグで私は命を救われた」より
こういった体験談を読むと、エアバッグの大切さを痛感しますね。
バイク用エアバッグ
バイクは楽しい乗り物です。でも車に比べると安全性ははるかに劣ります。
少しでも安全に楽しく乗り続けるためにも、エアバッグはライダーの必需品なのではないでしょうか。
バイク用のエアバッグが車のエアバッグのように「標準仕様」になる日が来るといいですね。
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