2016/09/09
satoboys
今やインジェクション方式が主流となり、新車流通がほとんどなくなったキャブレター仕様のバイク。でもキャブレターとインジェクションって、何が違うの?どっちのバイクがおすすめなの?そもそもキャブレターって?そんな疑問にお答えします。
バイクの種類として、その構造から大きく分けて2種類があります。
ひとつは、キャブレター車。いわゆるキャブ車という呼び方もあります。
もうひとつが、インジェクション車。フューエルインジェクションという装置を使っています。
これは、エンジンへのガソリン供給方式の違いです。
以前はキャブレターという装置が主流でしたが、排ガス規制など環境思考の高まりから、より綿密にコンピューターで制御して燃料を供給するフューエルインジェクションという相違を使ったバイクが増えてきました。
キャブレターでは環境対応に限界があり、ほぼ国内では絶滅状態となっているのです。
バイクのキャブレターの役割は、エンジンにガソリンを送ること。
でも、そのままではガソリンは燃えにくいので、外から取り込んだ空気に噴射する形で混ぜて混合気と呼ばれる状態にして、エンジンへと送っています。
キャブレターの仕組み
キャブレターは電気を使わず、機械的な仕組みのみで、アナログでガソリンを噴射しています。
エンジンのピストンが上下運動をして吸気の状態になり、外気を取り込もうとします。その時シリンダー内部の圧力が下がり、吸入負圧という状態になります。いわば外との圧力の差で、外気を取り込むのです。
この時、空気の通り道(ボア)内の圧力が下がり、燃料がその圧力差で吸い寄せられ、噴射される形となります。
スロットルバルブ
この開き具合で、空気に吸入量=ガソリンの噴射量が変わってくる。
流れる空気の量を調節するのがスロットルです。スロットルを開けると、外気取り入れ口のフタ(スロットルバルブ) が開かれ、空気が入ってきます。
空気の量が多ければ多いほど、燃料もそれに合わせて噴射される仕組みになっています。
この原理のことを『ベルヌーイの定理』の呼ばれています。
キャブレターのバイクは古くて良いことが無いように思われがちですが、インジェクション車にはない利点もあります。
とっても抽象的ですが、バイク乗りには分かります。
電子制御のフューエルインジェクションでは、すべてコンピューターに制御されお行儀もいいのですが、やっぱり味気ない。
機械仕掛けのキャブレター方式のバイクは、数字や言葉では言い表せない良さがあります。
スロットルを開けた時のエンジンの応答や、排気音もそうですし、自分で調整したりいじれる点など。
バイクをただの機械としてでなく、乗って・いじって様々に楽しむ人にはおすすめなのです。
キャブレター洗浄
キャブレターの場合、もし故障したりしても、ある程度知識があれば分解・洗浄したり、自分でメンテナスすることができます。
バイクのメンテナンスは、バイク乗りの醍醐味の一つです。
電子制御のフューエルインジェクションの場合、分解したり修理したりすることはほぼ不可能です。
やはり、コンピューター制御のインジェクション方式と比べると、キャブレター方式ではアナログである分、コストが安くなります。
インジェクション方式では、バイクそのものの値段が高くなりがちです。
逆にインジェクション車の方が優れている点も多くなってきました。
フューエルインジェクション方式では、コンピューターの計算によって、温度や気圧など様々な状況に最適な量の燃料を噴射したり、そのタイミングなども制御されています。
これに比べるとキャブレター方式のバイクでは、若干ファジー(雑)な点があります。
その分、不完全燃焼の燃料が出てしまい、排ガスにススなどが混ざりやすくなります。
前項と同様、燃料噴射のコントロールのおかげで、フューエルインジェクション車はキャブレター方式のバイクに比べて燃費がよくなります。
キックスターターだと大変
温度が低いと燃料は蒸発しにくくなるため、とくに冬場はエンジンのかかりが悪くなります。
フューエルインジェクション車ならば、気温などにも合わせて燃料の噴射量を制御しますが、キャブレター方式のバイクでは気温変化などへの対応が苦手です。
どうしても朝エンジンがなかなかかからないということもあります。
フューエルインジェクション車のバイクは、スロットルの変化に即座にコンピュータが反応して燃料供給量が変わりますが、キャブレター方式のバイクの場合、スロットルを開けて実際にエンジンの回転が上がるまで、ほんの少しですがワンテンポ送れるような感覚で、インジェクション車には劣る場合もあります。
デメリットもあるインジェクション車ですが、技術の進歩でメリットの方が多くなってきました。
そうすると、環境に悪い、古い仕様のキャブレター搭載バイクは今後無くなっていくと思われます。
実際に、現在日本で販売されているナショナルブランドのバイク(カワサキ、ヤマハ、スズキ、ホンダ)のバイクはほとんどがフューエルインジェクション方式となっており、キャブレター方式のバイクは中古市場のみと、ほぼ絶滅状態です。
というのも、バイクの排ガス規制も強化されており、キャブレター方式ではなかなかその基準がクリアできないというの問題があります。
でもまだまだ新車で買えるキャブレター方式のバイクもあります。
ホンダ FTR
223ccのストリート・トラッカー
税抜41万円
ホンダ CB223S
おはじく223ccのエンジンを積む。
税抜40万円ほど。
ヤマハ YB125SP
中国ヤマハの逆輸入車。
20万円程度で購入できる、125ccの原付二種。
クラシックなスタイリングと安さ、意外な安定性で人気。
YBR125
同じく中国ヤマハ製で、スポーツ仕様のバージョン。
スズキ GN125
YB125SPのライバル的存在?
こちらも非常に低価格で、カスタムベースなどとしても人気。
環境対応などでますますキャブレター搭載バイクが少なっていきそうですが、まだ上にあげたように新車で買えるバイクもあります。
また、中古車も質のいいバイクが比較的多くある今のうちが買い時です!
キャブレター独特の感覚を体感できる今こそ、キャブ車を買うチャンスです。
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