あなたのバイクはキャブレター仕様ですか?ならメンテナンスを。
2016/11/25
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エンジンがごぼごぼ言う、エンストするなどキャブレターの調子が悪くて困っていませんか?そういう時はキャブレターのセッティングをしてみませんか?キャブレターのセッティングは非常に奥が深いし、キャブレターのセッティング次第でエンジンの調子が格段に変わります。
今回はキャブレターのセッティングをご紹介するのですが、そもそもキャブレターとは何なのでしょうか。
まずはキャブレターがどういうものかを見ていきましょう。
キャブレターとはキャブとも呼ばれ、ガソリンを霧状にして燃えやすい状態を作り、空気と混ぜるパーツのことです。
この空気とガソリンを混ぜる工程がエンジンの調子に響いてくるわけです。
キャブレターには理想の空燃比というものがあり、その空気とガソリンの比率の理想とされているのが低中回転域…ガソリン1:空気14.5、高回転域…ガソリン1:空気12~13とされています。
この理想値の空燃比の時、エンジンは最も調子がよいとされています。
では、なぜキャブレターのセッティングが必要なのでしょうか。
理想の空燃比にセッティングされて販売されているものをセッティングしなおすのはどうしてなのでしょうか。
キャブレターの空燃比は運転状態と気候などによって左右されます。
つまり、運転の仕方や暑い、寒い、雨など気候の条件によっては理想値になっていないことがあるということです。
キャブレターが理想の空燃比になっていない場合、エンジンがもたついたり、エンストしたりと様々な症状がでてきます。
その症状を改善するためにキャブレターのセッティングを行います。
では、キャブレターのセッティングはどんな時にするのでしょうか。
天気が変わるたびに再セッティング?そんなことはできませんよね。
では、どんなタイミングでセッティングすればいいのでしょうか。
キャブレターのセッティングは季節ごとに行うという方もおられますが、基本的には吸排気系のパーツを交換した、新たに取り付けたという場合に行うことが多いです。
つまり、パーツ交換をお店で行う場合は同時にキャブレターのセッティングも行ってくれると思います。
自分でパーツを交換する方は、自分でキャブレターのセッティングを行う必要があります。
キャブレターのセッティングは、キャブレターの現在の状態を読みとる力が必要です。
読みとりを誤った場合、一歩間違うと走行中のエンジンの焼き付き、もしくは抱きつきなどのエンジンに多大なダメージを与え、再始動出来ない状況になる場合もあります。
自信のない方、初心者の方など興味本位でキャブレターのセッティングに手を出すと、セッティングの泥沼にはまるかもしれないので、安易にキャブレターのセッティングには手を出さない方がいいです。
全て自己責任となりますので、やるとなったら覚悟を持ってやりましょう。
では、最後にどんな症状の時にキャブレターのセッティングを変えればいいのでしょうか。
乗っている時のアクセルの開度と症状をご紹介しますので、参考にしてみてください。
スロットルを全開にした時、エンジン音がモォとなって息つきする、ノッキングする、デトネーションする、デトネーションを起こすとチリチリ音する、焼き付き、 トルクが無く加速が悪い、プラグが白く焼ける、 トルクも無く最高速も出ない。
こんな症状の時はガソリンが薄いので、 メインジェットの番数を上げます。
大幅に上げても直らない時はフロートバルブ付近の穴詰まり、フューエルチューブ、コックの詰まりを点検し、 油面が低い時はフロートバルブで調整します。
反対に、最高回転数が低い、加速は良いが最高速が伸びない、 オーバーレブが少ない、モモモモとエンジンがぼこつく、吹け上がりが鈍い、パワー・トルク不足、プラグが黒く焼ける症状の場合はガソリンが濃いので、プラグの色がきつね色になるまでメインジェットの番号を少しずつ下げます。
直らない場合はキャブレターがオーバーフローしている場合もあるので油面調整しましょう。
スロットル開度1/4~3/4で息つき、ノッキング、失速の症状がある場合は、ガソリンが薄いため、ジェットニードルのクリップを一段下げます。
逆にもたつく、ぼこつく、加速が悪い場合はガソリンが濃いので、 ジェットニードルのクリップを一段上げるます。
スロットル開度1/8~1/2で息つき、ノッキング、失速する場合はガソリンが薄いので、ジェットニードルのクリップを下げるか、ジェットニードルの径を細い物に交換するか、ニードルジェットの番数を上げます。
逆にぼこつく、加速が悪い場合はガソリンが濃いので、 ジェットニードルのクリップを上げるか、ジェットニードルの径を太い物に交換するか、ニードルジェットの番数を下げます。
低速、アイドリングで回転が不安定、エンストする場合はガソリンが薄いので、 スロージェットの番数を上げるか、エアスクリューを締めます。
逆に黒煙が出る、音が鈍い、エンストする場合はガソリンが濃いので、 スロージェットの番数を下げるか、エアスクリューを緩めます。
スロットルを急に開けた時にレスポンスが悪い、ぼこつく場合は濃すぎるか薄すぎる可能性がありますので、エアスクリューを緩めるか、ジェットニードルのクリップを上げます。
他に、回転の戻りが遅い、開けた瞬間エンジンが止まる、開けた瞬間一息おいて吹け上がる場合はガソリンが薄いため、エアスクリューを締めるか、ジェットニードルのクリップを下げるか、スロージェットの番数を上げます。
エアスクリューを調整してもエンジンの調子が変わらない場合はガソリンが濃すぎるか、薄すぎるので、スロージェットの番数を変えてみましょう。
以上がキャブレターの症状別のセッティングです。
判断が難しいものが多いのがよくわかりますね。
だからこそ安易に手出ししてはいけないということです。
いかがでしたか。
キャブレターのセッティングは結構細かい分析が必要なことがわかりましたね。
この細かい分析が間違っているとセッティングを間違えるため、エンジンを傷めたりする原因となります。
初めてのセッティングの際は、キャブレターのセッティングを行っている知人に指示を仰いだり、バイク屋さんに指示を仰ぎながら覚えていくといいと思います。
キャブレターのセッティングの参考になれば幸いです。
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