2016/05/11
showta14
皆さんは、「タコメーター」という名前をお聞きになったことはありませんか?タコメーターとは何でしょうか?タコメーターはどんな利点があるのか?バイクにもタコメーターを取り付けることはできるのでしょうか?今回は、バイクとタコメーターの実情に迫ってみます。
タコメーターの「タコ」とは、あのタコ!?
クルマやバイクに取り付けられている「タコメーター」!何か変な名前ですね。タコメーターの「タコ」の意味は何でしょうか?
実は、バイクなどに付いている「タコメーター」の「タコ」とは、英語でtachoと書き、
語源はギリシャ語で「速度」を意味する takhosに由来しています。
発音記号は「tækɑ́mətər」ですので、英語では「タカメーター」のように聞こえると思います。
バイクの運転にかかせない「エンジン回転数」
タコメーターの語源は「速度」から来ていることはご説明しましたが、「タコメーター」はエンジンの回転数を数値化してメーターに表示したものなんです。
バイクやクルマには、エンジン出力が良好な「領域」がある!
実は、バイクやクルマのエンジンは、アクセルの開度に比例してパワーが出せるようになっていますが、エンジンにとって一番効率の良いところ(回転数)というのがあるんです。これを「パワーバンド」と呼んでいます。
ですから、エンジンの回転が低すぎてもパワーが出ませんし、高すぎると、エンジンが破損してバイクが動かなくなってしまいます。
特に、タイムを競うレースではタコメーターは大変重要!
レースに勝つためには、エンジンの持てるパワーをいかに効率良く出せるかにかかっていますので、ライダーは「タコメーター」を確認しつつ、最もパワーが出るところを使うのですね。
一定の回転数を保つことで、燃費も向上する!
タコメーターは、バイクの燃費向上にも役立ちます。
燃料を一番消費しない回転数(バイクカタログのグラフで確認できます)を保つことで、バイクの燃費が向上するという利点もあります。
タコメーターでエンジン回転数をどのように確認するのか?
「タコメーター」がバイクのエンジン回転数を表示する計器であることはわかりました。では、タコメーターを実際にどのように使えばよいのでしょうか?
上の図中段に「rpm×1000」という文字があります。「rpm」とは、Round Per Minute の頭文字をとったもので、「1分間の回転数」を意味します。後ろの「×1000」とは、メーターの数字に1000を掛けなさい!と言っているのですね。
つまり、メータの針が「3」を示していたとすると、それはエンジンが1分間に 3×1000=3000回回っていますよ!ということなんです。
タコメーターの数字が「赤い」部分は入れると危険!
先ほどの図で、タコメーターの数字が「赤色」の部分を「レッドゾーン」といい、この回転数でバイクを運転し続けると、エンジンに悪影響が出ます。もちろん燃費も極端に悪くなりますので、ご注意くださいね。
バイクのタコメーターについてご説明しましたが、ここでは、バイクに装着されているタコメーターがどのようにしてエンジンの回転数を確認しているか、その仕組みをご説明します。
機械式タコメーターはカムシャフト回転を歯車で取り出す!?
実は、バイクのタコメーターには、「機械式」と「電気式」があるんです。このうち、機械式タコメーターについてご説明します。
ところで、「カムシャフト」とは?
イラストをご覧ください。このイラストの一番上に「カム」という部品があります。
このカムが固定されているシャフトのことを「カムシャフト」と呼びます。
カムシャフトの回転を、ギアに伝えて回転数を割り出す!
最初の写真の、エンジン中央に黒いケーブルが接続された蓋がありますね。これを取り外したものが左の写真です。
つまり、エンジンが回転し、同時にカムシャフトも同じ回転をするので、カムシャフトの回転を途中のギアに伝えて、タコメーターに表示する仕組みです。
エンジンと同時に回るカムシャフトの回転を、ギアを介して機械的に回転数を求めるので、「機械式タコメーター」と呼ばれているんです。
電気式タコメーターは、点火プラグの点火回数から求める!?
皆さんは、図のような部品をご覧になったことがありますか?
これは「点火プラグ(スパークプラグ)」といい、ガソリンと空気の混合気に「火花」を飛ばすための部品です。
点火プラグへ「火花を出せ」と命令しているのが「イグニッション(コイル)」!
火花を直接飛ばすのは「点火プラグ」ですが、実はこの点火プラグに電気的な信号を送り、
火花を飛ばすタイミングを教えている部品があります。これを「イグニッション(コイル)」と呼びます。
つまり、バイクの電気式タコメーターは、この「イグニッション(コイル)」が出した命令の回数(電気を送出した回数)をカウントして算出しているんです。
電気式タコメーターの利点は、「機械式」のように、エンジン本体に大がかりな仕掛けが必要ないため、取付が容易です。タコメーターの装着されていないバイクに後から取り付ける場合は、この電気式を使います。
インターネット等で汎用式電気式タコメーターを購入しましょう
電気式タコメーターは、バイクの車種別も販売されていますが、ここでは汎用式(どんなバイクでもOK)の電気式タコメーターを購入しましょう。
写真のタコメーターは、プロスポーツ製電気式汎用タコメーターです。
タコメーターから出ている配線を確認しましょう
これは、購入したタコメーターの取扱説明書を読む必要がありますが、配線(色)の意味を把握しておきましょう。
ちなみに、このタコメーターの場合、
赤:電源
オレンジ:夜間のバックライト
緑:パルス信号取得用(イグニッション)
黒:アース(静電気除去のため、車体の一部に直接接続する)
適当なねじ穴を共有して取り付けましょう
ステーには、ねじ穴があります。バイクに最初から付いているボルトを緩め、ステーを挟み込みます。そのあと、しっかりとボルトを締めておきます。
タコメーターをステーに取り付けましょう
ステーの位置が決まったら、さっそくタコメーター本体を取り付けましょう。ステーと、タコメーター本体をレンチでしっかりと締め付けます。
まずはバッテリーを探し、マイナス端子を外す!
作業中は、感電を防ぐため、まずはバッテリーの位置を探します。「-」と書かれてある方の端子を取り外しておきます。
次に、イグニッションコイルの位置を確認しましょう
さて、バッテリーのマイナス端子を取り外した後は、イグニッションコイルの位置を確認します。このバイクの場合、赤丸の位置にイグニッションコイルがあります。
ちなみに、イグニッションコイルは、点火プラグのプラグキャップ(黒い樹脂製のキャップ)のケーブルを反対側へたどると見つかります。
タコメーターのケーブル(緑)接続用に分岐用端子を購入しておこう
このイグニッションコイルから、タコメーターパルス信号用配線(緑)を接続するに当たり、写真のようなY字形端子を購入しておきましょう。お値段は250円~300円程度です。なお、イグニッションコイルの接続側が2種類あり、写真は「平型」といいます。
こちらは「ギボシ型」
イグニッションコイルの接続側が写真のような形状の場合は「ギボシ型」といい、Y字端子も「ギボシ型」を購入します。
イグニッションコイル側から端子を外し、Y字端子と入替える
イグニッションコイル端子に接続されているケーブルは、差込口が1つしかないため、これを取り外し、Y字端子と入替えます。
片方にもともと接続されていたケーブルを、もう片方にタコメーターの緑色ケーブルを接続します。
黒い線(アース)はバッテリーの「-」極に接続する
タコメーターから出ていた4本の配線のうち、黒い線はアースといって、静電気を逃がすためのケーブルになります。
車体のボルトを外して取り付けても良いですが、ここはバッテリーの「-」極に接続します。
黒い線が、バッテリーまで届かないときは、ホームセンターなどで延長ケーブルを購入して接続するとよいと思います(上の写真)。
「リレー」を使うと、バッテリー「+」極に直接接続できる!
バイクのタコメーター配線のうち、「赤色」のケーブルは、従来「ACC」のケーブルから分岐して接続するのが一番なんです。
実は、バッテリーの「+」にタコメーターの電源ケーブルを接続すると、バイクの電源を切っても微弱な電流がタコメーターへ流れ続け、バッテリーが消耗します。
これを解決するのが「リレー」と呼ばれる部品で、インターネットやホームセンターで1,000円程度から購入できます。
リレーの赤いケーブルをバッテリーの「+」極に取り付ける
リレーの仕組みは図のようになります。本来は、バッテリーの「+」極に電源供給用ケーブルを接続すると、電気が流れっぱなしになりますが、リレーが間にあるので、イグニッションを「ON」にした時だけで電流が流れます。
上の写真の「エーモン」製リレーでご説明すると、リレーの「赤」線をバッテリーの「+」に接続、黄色をタコメーターの「赤」線(電源)と接続します。そして、黒い線はアースなので、バッテリーの「-」極に接続するか、バイクの車体のボルトに締め付けます。
最後に、青い線を、キーをONにした時に通電するケーブルと接続する
ここが最難関の箇所ですが、イグニッションスイッチを「ON」にした時にタコメーターへ電気を供給したいので、リレーの青い線をイグニッションスイッチを「ON」にした時に電気が流れるケーブルに接続します。
電気が来ているか確認するには、「検電テスター」を使う
バイクのイグニッションスイッチでカギを「ON」に回したとき、どこのケーブルが通電するかは、「検電テスター」を使って調べます。お値段は100円程度で販売されています。
キーシリンダー後ろ側の配線をテスターで確認する
キーシリンダーの後ろ側から、数本の配線が出ています。イグニッションを「ON」にし、1本ずつ配線にテスターを当てます。
テスターのランプが点灯したら、イグニッションを「OFF」にします。ここでテスターが消灯すれば、それがイグニッション「ON」スイッチの配線です。
テスターを配線に当てるときは、テスターの黒い線(ハサミのようなものがついている線)をバイク本体と接続し、静電気を逃がしましょう。
こうして調べたケーブルを、リレーの青いケーブルに接続して作業は完了です。
配線等に自信がなければ、プロに頼みましょう!
全章でご説明した、タコメーターの取り付けは、配線の理解と作業の慣れが必要となります。
作業に自信がないときは、迷わずプロに頼みましょう。ちなみに、電源取り出しの料金は、バイクによって異なりますが、4,000円~6,000円程度と思われます。
いかがでしたか?
記事が大変長くなってしまい、申し訳ございません。
自慢の愛車にタコメーターを取り付けて、エコで自然に優しいツーリングを!
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
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